入札について
建設業者にとって、入札は新しい収入源を作り、収益を増加させるにあたり重要な手段です。
さらに、官公庁からの工事の為、不良債権や相手が倒産する危険を抱える心配もほとんどないので入札することができればほぼ確実に利益になります。
しかし、入札は競争率が高く、落札に至るまでにはたくさんの労力と時間が必要なケースも存在します。
また、入札には手続きが必要であるため、知識と準備が必要です。
この記事では、入札の基本的な仕組みや流れについて詳しく解説していきます。
1.公共工事の入札の概要
公共工事とは、国、特殊法人(高速道路、鉄道会社など)等又は地方公共団体が発注する建設工事のこと(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第二条)です。
特殊法人とは高速道路会社や鉄道会社などのことを指します。
入札には下記の種類があります。
1.一般競争入札方式
資格要件を満たす者のうち、競争の参加申込みを行った者で競争を行わせる(一般的)
2.指名競争入札方式
発注者が指名を行った特定多数の者で競争を行わせる(主に、一般競争入札では発注者に不利が生じる際に利用される)
3.随意契約方式
競争の方法によらないで、発注者が任意に特定した者を選定して、その者と契約する(主に、災害時などの緊急時に利用される)
主に利用されている方式は1.一般競争入札方式となります。
では、上記の3つのそれぞれのメリットとデメリットについて簡単にまとめます。
1.一般競争入札方式のメリット・デメリット
メリット
・経営規模や経験に関わらず入札に参加できるので競争性と公正性が高い。
デメリット
・手続きの負担が高くなる可能性がある。
2.指名競争入札方式のメリット・デメリット
メリット
・手続きの負担軽減になる。
デメリット
・談合などが起こる可能性がある。
3.随意契約方式のメリット・デメリット
メリット
・競争の必要がなくなるため時間短縮になる。
・手続きの負担軽減になる。
デメリット
・指名を受けるのに必要な条件がある。
以上が、公共工事の入札方式のメリットとデメリットとなります。
随意契約方式については官公庁に随意契約ガイドラインがある場合がありますのでそちらをご覧ください。
2.入札参加資格の取得の流れ(大阪府の場合)
入札に参加するには、入札参加資格というものを得る必要があります。
各都道府県や市町村で入札参加資格審査をしてもらい、審査の条件を満たせば入札に参加することができます。
では、入札参加資格の取得の流れについて簡単に説明します。
①決算変更届を提出し、経営事項審査を受審
↓
②大阪府の入札参加資格の要件を満たしているかどうかを確認
↓
④大阪府「電子入札システム」で入札参加資格審査申請を行う
↓
⑤入札参加資格審査申請に必要な添付書類を郵送で送る(添付書類を送らなければ申請を受け付けてくれません。)
↓
⑥申請内容、添付書類を大阪府が確認したら「電子申請システムからのお知らせ」メールが届く
↓
⑦電子申請システムを開き、左側の列の「状況確認」をクリック>ログインして「手続き終了」になっていることを確認する
↓
⑧審査結果と受付表を印刷して完了
⑦を確認する際に、書類の不備などで補正が求められている場合があります。
その場合は速やかに訂正または書類の郵送をしましょう。
3.まとめ
入札に参加し、官公庁からの工事を得ることは、会社の事業の安定化や、収益増大につながる可能性があります。
また、元請として工事ができることで下請け業者とのつながりや元請同士のつながりができます。
ですが、入札参加資格を得るための書類を収集しなければならない点など時間のかかる作業も多いので、着実に進めていきましょう。