【令和5年1月改正あり】
特定専門工事とは

建設業界は、人手不足が続いています。
新しい人手を増やすための施策に加えて現在活躍してくれている人材をいかに活かせるかの施策も必要になってきます。

その中で令和2年10月1日から始まったものが特定専門工事の主任技術者の配置の緩和です。
主任技術者の配置が不要になることにより、現場の生産性向上や限りある人材を活用できるようにという目的で定められました。
さらに、令和5年1月1日には金額の改正が行われています。

では、生産性の向上が期待される特定専門工事の主任技術者の配置の緩和について解説していきます。

1.特定専門工事とは

まず、特定専門工事について解説します。
特定専門工事については建設業法で下記のように記載されています。

第二十六条の三 特定専門工事の元請負人及び下請負人(建設業者である下請負人に限る。以下この条において同じ。)は、その合意により、当該元請負人が当該特定専門工事につき第二十六条第一項の規定により置かなければならない主任技術者が、その行うべき次条第一項に規定する職務と併せて、当該下請負人がその下請負に係る建設工事につき第二十六条第一項の規定により置かなければならないこととされる主任技術者の行うべき次条第一項に規定する職務を行うこととすることができる。この場合において、当該下請負人は、第二十六条第一項の規定にかかわらず、その下請負に係る建設工事につき主任技術者を置くことを要しない。

 前項の「特定専門工事」とは、土木一式工事又は建築一式工事以外の建設工事のうち、その施工技術が画一的であり、かつ、その施工の技術上の管理の効率化を図る必要があるものとして政令で定めるものであつて、当該建設工事の元請負人がこれを施工するために締結した下請契約の請負代金の額(当該下請契約が二以上あるときは、それらの請負代金の額の総額。以下この項において同じ。)が政令で定める金額未満となるものをいう。ただし、元請負人が発注者から直接請け負つた建設工事であつて、当該元請負人がこれを施工するために締結した下請契約の請負代金の額が第二十六条第二項に規定する金額以上となるものを除く。

引用:e-Gov法令検索建設業法第二十六条の三

上記のうち、「施工の技術上の管理の効率化を図る必要があるものとして政令で定めるもの」とは、建設業法施行令第三十条に記載されている以下の工事のことです。
・大工工事又はとび・土工・コンクリート工事のうち、コンクリートの打設に用いる型枠の組立てに関する工事(型枠工事)
・鉄筋工事

また、「下請契約の請負代金の額~が政令で定める金額」とは、建設業法施行令第三十条第2項に記載されています。
以前は3,500万円でしたが、令和5年1月に改正され、現在は4,000万円となっています。

まとめると、特定専門工事とは大工工事又はとび・土工・コンクリート工事のうち、コンクリートの打設に用いる型枠の組立てに関する工事(型枠工事)または鉄筋工事のうち、下請けに出す金額が4,000万円未満の工事のことで、下請の主任技術者が不要になるケースがあるということです。

2.主任技術者の配置が不要になるケース

特定専門工事は主任技術者の配置が不要になるケースがあります。
下記の①~④をすべて満たす必要があります。

①大工工事又はとび・土工・コンクリート工事のうち、コンクリートの打設に用いる型枠の組立てに関する工事(型枠工事)または鉄筋工事であること
②4,000万円未満の工事であること
➂一年以上の指導監督的な実務経験+専任であること
④下記を記した書面において下位下請から合意があること
 ・特定専門工事の内容
 ・上位下請の主任技術者の氏名
 ・当該特定専門工事に係る下請契約の請負代金の額
 ・その他に当該特定専門工事に係る下請契約がある場合は、それらの請負代金の額の総額

上記の①~④を満たすと下位下請の主任技術者が不要になります。

引用:国土交通省新・担い手三法についてp.24、25より

ただし、主任技術者を置かないことにした下請はその工事を再下請できません。

3.まとめ

以上、特定専門工事の主任技術者の配置の緩和について解説しました。
主任技術者が不要になるケースは、
・大工工事又はとび・土工・コンクリート工事のうち、コンクリートの打設に用いる型枠の組立てに関する工事(型枠工事)または鉄筋工事であること
・4,000万円未満の工事であること
・一年以上の指導監督的な実務経験+専任であること
・一定の事項を記した書面において下位下請から合意があること
の4点をすべて満たす工事です。
元請から見ると、人数が減るため管理しやすく、下請から見ると、貴重な人材を浪費せずに済むという点においてメリットがあります。